工程・現場/PHASE 4

工程表の作成をAIで構造化・生成

工程表の作成をAIで構造化・生成する

施工管理の実務において、工程表の作成は経験と勘に頼る部分が大きく、担当者によって精度やスピードにばらつきが出やすい業務です。ここでは工程表作成にAIを活用する際の考え方と、実務での取り入れ方を整理します。

工程表作成が属人化しやすい理由

工程表は単なるスケジュール表ではなく、以下のような複数の情報を統合して作られます。

  • 各工種の標準的な所要日数
  • 前工程・後工程の依存関係(先行工事が終わらないと着手できない工程)
  • 職人・業者の手配状況や繁忙期
  • 天候リスクや現場条件による調整幅

これらを頭の中で組み合わせて工程表に落とし込む作業は、ベテラン施工管理者の経験知に依存しがちです。結果として、担当者が変わると工程の組み方や余裕の持たせ方が変わり、社内での標準化が進みにくいという課題があります。

AIによる工程表の「構造化」とは何か

AIを工程表作成に活用する際にまず重要なのは、「AIに丸ごと工程表を作らせる」ことではなく、「工程情報を構造化するプロセスをAIに支援させる」という捉え方です。

具体的には、以下のような使い方が考えられます。

  • 工種名・所要日数・依存関係(先行/後行)を箇条書きやテキストで入力し、AIに一覧化・整理してもらう
  • 過去の工程表(テキストデータ化したもの)をもとに、工種の順序や標準日数のパターンをAIに抽出させる
  • 入力した条件(着工日、竣工希望日、工種リスト)から、論理的に矛盾のない工程順序の叩き台を出力させる

ここでのポイントは、AIが出力するのはあくまで「叩き台」であり、最終的な妥当性の判断や現場条件の反映は施工管理者が行うという役割分担です。AIは情報を整理・構造化する補助ツールとして位置づけることで、精度の担保と業務効率化を両立できます。

実務での取り入れ方と注意点

工程表作成にAIを取り入れる際は、いきなり本番の工程表を任せるのではなく、段階的に導入するのが現実的です。

  1. 既存の工程表をテキスト化してみる 紙やExcelで管理している工程表を、まずは工種・日数・依存関係が分かる形式のテキストデータに落とし込みます。この段階で情報が整理されていないことに気づくケースも多くあります。

  2. AIに整理・要約させて確認する テキスト化した情報をAIに読み込ませ、抜け漏れや矛盾がないかを確認させます。人間が見落としがちな依存関係の矛盾(例:先行工事より後行工事の着手日が早い、など)を指摘させる使い方は、チェック業務として有効です。

  3. 叩き台の生成と現場条件での修正 AIが出力した工程順序の叩き台に対し、実際の職人手配状況や天候リスクなど、AIには入力していない現場固有の情報を反映させて最終調整します。

注意点として、AIが出力する所要日数や順序はあくまで入力された情報や一般的なパターンに基づくものであり、現場ごとの特殊事情(狭小地、既存建物との取り合い、地域特有の慣習など)は反映されません。AIの出力をそのまま採用するのではなく、必ず施工管理者の目でレビューする工程を組み込むことが前提になります。

社内標準化への活用

工程表作成にAIを活用する取り組みは、個人の業務効率化にとどまらず、社内での工程表の型を標準化する第一歩にもなり得ます。過去の工程表データをテキスト化・蓄積し、AIで整理・比較できる状態にしておくことで、次のような効果が期待できます。

  • 新人担当者でも一定水準の工程表の叩き台を作成できる
  • 工種ごとの標準日数のばらつきを可視化し、見直しの材料にできる
  • ベテランの経験知をテキストという形で組織に残せる

ただし、こうした仕組みづくりには、入力データの整備やAIツールの選定・運用ルールの設計といった準備が必要です。何から手をつければよいか分からない場合は、体系立てて学べる場を活用するのも一つの方法です。

AIを活用した工程表作成の考え方や具体的な手順を体系的に学びたい方は、こちらのカリキュラムをご覧ください。

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