見積・積算/PHASE 3

自社の見積様式にAIを合わせる方法

見積業務をAIで効率化しようとすると、最初に考えがちなのが「どのAIを使うか」「どのソフトを入れるか」です。

ただ、実際に工務店の仕事へ落とし込もうとすると、そこが一番大事なポイントではありません。

先に整理したいのは、普段その見積を、誰が、何を見て、どんな順番で作っているかです。

たとえば同じ木造住宅の見積でも、会社によってやり方はかなり違います。

図面から数量を拾う人がいて、そのあとExcelに転記する会社もあります。 過去物件の見積をコピーして、必要なところだけ直していく会社もあります。 社長や積算担当者の頭の中にだけ「この場合はこの単価」という判断基準が残っている会社もあります。

この状態のままAIだけ入れても、なかなかうまくいきません。

道具を変える前に、まず仕事の流れを言葉にする

高機能なAIやソフトを導入しても、元の作業手順が曖昧なままだと、AI側も何を基準に判断すればいいのか分かりません。

逆に、普段の作業をある程度言葉にできれば、AIに任せられる部分は一気に増えます。

私なら、まず次の6つに分けます。

  • 何のための作業か
  • 何を入力するのか
  • どんな順番で処理するのか
  • 最後に何を出力するのか
  • どこを人が確認するのか
  • どんな条件なら処理を止めるのか

見積業務であれば、たとえば、

「平面図と立面図を確認する」 「必要な数量を拾う」 「社内単価表を参照する」 「過去案件との差を確認する」 「見積書の形式に整える」 「金額の大きい項目は人が最終確認する」

といった具合です。

このくらいまで分けると、AIに任せる範囲と、人が残すべき範囲が見えやすくなります。

AIに任せるのは「下準備」まででも十分効果がある

AI活用というと、最初から全部自動化したくなります。

でも実務では、そこまでやらなくても十分に効果があります。

たとえば、

数量の拾い出し候補を作る。 過去案件との差分を出す。 単価表から候補金額を拾う。 見積書のたたき台を作る。

ここまでAIにやらせて、最後は担当者が確認する。

この形のほうが、むしろ現場には入りやすいです。

特に金額、法令、顧客提出物については、人が最終判断する前提にしておいたほうが安全です。

「全部自動化できないから意味がない」ではなく、面倒な下準備を減らすだけでも、かなり大きいと考えたほうが実務的です。

最初から全社対応を狙わない

導入するときに、すべての見積パターンへ対応させようとすると、ほぼ確実に複雑になります。

最初は、条件が揃っている案件だけで十分です。

たとえば、

木造2階建て 自社でよく使う仕様 標準的な間取り いつもの見積書式

このように対象を絞って、一件だけ試します。

そこで、

どこまでAIに任せられたか。 どこで人の判断が必要だったか。 毎回同じ修正をしている箇所はないか。

これを見ながら少しずつ直していきます。

実際、この進め方のほうが完成は早いです。

AI導入で一番大事なのは「自社のやり方を見える形にすること」

AIの性能はこれからも上がっていきます。

ただ、どれだけAIが賢くなっても、自社独自のやり方までは最初から知りません。

だから先に必要なのは、立派なシステムではなく、

「うちでは普段どうやっているか」

を見える形にすることです。

そこまで整理できれば、AIはかなり使いやすくなります。

逆に、そこが曖昧なままだと、AIを入れても結局は人が毎回修正することになります。

見積業務に限らず、工程表、原価管理、SNS、法令チェックなども考え方は同じです。

まず一つの仕事だけ選んで、手順を言葉にする。 そのあとAIに任せられる部分を探す。

この順番のほうが、遠回りに見えて実際には早いです。

自社の業務で「どこからAI化すればいいか分からない」という場合は、個別説明の際に、現在の作業フローを見ながら一緒に整理することもできます。

講座の内容を詳しく知りたい方は、全36回のカリキュラムをご覧ください。

自社の業務で「どこからAI化すればよいか」を具体的に整理したい場合は、個別説明・相談からご相談いただけます。

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